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2016-02-21

“展示会限定”の商品を作るなんて、言わなければよかったのに。


「え?限定の商品作るんですか? 」
「うん、そうなんよ」
私が、困惑した表情で英一郎さんに聞くと、英一郎さんは、いつものあの柔らかい表情で、そう微笑みました。

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【展示会限定の商品を作るなんて、言わなければよかったのに。】

私が、「英一郎より白い桜」の展示会をすると聞いたのが、昨年末のことでした。
冒頭の会話は、今年に入ってすぐの、私と英一郎さんの会話です。

ここだけの話、私はすごく心配していました。
今回の「展示会限定の商品を作る」と聞いたの時、展示会初日まで、もう2か月を切っていたんです。

私が心配していることには全く気付かずに、英一郎さんはなんだか楽しそうにも見えました。
この日から、英一郎さんの忙しい日々が始まります。

どんな限定商品を制作するかが決まったのは、さらに1週間後のことでした。
私は、その内容を聞いて、さらに驚きます。

今までにも数多く作ってきたあの商品をリニューアルとして新しく1から制作し、今回の展示会限定で、桐箱に入れて販売しよう! と、英一郎さんが話してくれました。

この言葉を聞いて、私はさらに不安になります。

2月末から始まる展示会「英一郎より白い桜」に向け、桜をテーマにした新作の発表も予定しています。

新作の制作、展示会で販売する商品の制作、展示会限定商品の制作。
これに加え、みなさまへの展示会へのご案内、ご案内用のはがき、ポスターなどの制作……やることはもりだくさんです。

スケジュールは、まさにぎりぎり。
そんな中、わざわざ限定商品を制作しなくてもいいのではないか。そんな思いが、私の中に少なからずありました。

それでも、英一郎さんの意志は固く「やる」というのです。

そうと決まれば、あとは展示会に向けて準備を進めていくだけです。

【始まった怒濤の制作の日々】

まずは、限定商品の「原型モデルを制作する」ことから始まります。
英一郎さんが作成した原型モデルを元に、波佐見の職人さんに「型」を作っていただきます。

▼英一郎さんが制作した、リニューアル商品の原型モデル
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型の制作をお願いしたのは、英一郎さんが「兄」と慕う、山口さん。

私が山口さんに最初にお会いしたのは、昨年の11月、波佐見の居酒屋でした。
その強面な外見に、最初は近寄りがたい印象を受けましたが、お酒が進むにつれて、いろいろなお話をさせて頂きました。

次の日、職場におじゃましたときにお会いした山口さんは、居酒屋でお会いした山口さんとはまさに別人。
職人の顔をする山口さん、すごくかっこよかったです。

お話を伺っていると、型を作る職人さんが、波佐見では年々減っているそうです。
跡取りがおらず、廃業していく職人さんも少なくないんだとか。
山口さんも、現在はおひとりでお仕事をされていました。

英一郎さんと山口さんの付き合いは長く、今回も、お忙しい中「英一郎のためなら」と、限定商品の型の制作をしてくださいました。

英一郎さんが山口さんに届けた「原型モデル」をもとに、山口さんに「型の原型」を作っていただきます。

▼型の制作の様子
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その「型の原型」の形をさらに整えて「完成原型」を作ります。
完成した「完成原型」が、英一郎さんが制作する作品の型の元となります。

▼完成原型をもとに、英一郎さんが作品を制作します
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波佐見での型の制作の様子は、英一郎さんもブログにUPしていたので、見て頂いた方も多いと思います。
あの原型は、展示会限定商品のものだったんです。

⇒波佐見出張制作その1
⇒波佐見出張制作その2

新しく作り直した「完成原型」をもとに、英一郎さんが作品を制作していきます。

今回は、限定商品も含め、展示会での新作を数多く焼き上げる必要があります。
いつもは福岡県・春日の英一郎製磁の工房で焼き上げるのですが、今回は量が多いため、波佐見で作品を焼き上げることに。

英一郎さん、また波佐見に行って作業する日々が始まりました。

展示会に向けた作品の制作と並行して、限定商品が入る「桐箱」の準備も行います。

今回、リニューアル商品が入る桐箱を、波佐見の桐箱屋さんにお願いし、制作していただきました。
桐箱の内装となる赤い土台、巻き帯も新しく制作しております。

今回の展示会用の桐箱、内装となる赤い土台、巻き帯が完成したのは、つい先週のこと。
作品が入るこの桐箱は、今回の展示会用に100個限定で制作しております。

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届いたものに、試しにリニューアル前の作品を入れてみました!
英一郎さんの真っ白な美しい作品が、桐箱に入っている。それだけで、まさにため息ものでした。
内装となる赤い土台のおかげで、作品の白がすごく映えるんです。

「桐箱に入っている」ということだけで、何か特別なものに思えました。
限定商品用に制作した巻き帯を桐箱の上に巻くと、さらに特別感が増します。
開けずに、そのまま飾っておきたいくらいの完成度。

 

実は、この桐箱に入る新しい作品、まだ完成していません。
展示会前日に、今回の会場となる、D12さんに完成品が届く予定です。

「ぎりぎりになったね」と、英一郎さんは、あの柔らかい表情で微笑みました。
「なんとか、間に合いましたね」と、私は英一郎さんに伝えました。

しかし、展示会に向けた準備は、まだまだ終わりません。
おそらく、展示会ぎりぎりまで、あわただしい日々が続きそうです。
英一郎さんは、今日も、作品の制作に追われています。

▼今回の展示会で販売予定の新作・制作途中の様子
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展示会限定の商品を作るなんて言わなければ、これほど忙しくならなかったのに。
この2カ月、忙しく動き回る英一郎さんの背中を見ながら、そんな風に思っていました。

でも、英一郎さんの「やる」というあの決断がなければ、桐箱入りのこの作品を、皆様のもとへお届けすることはできませんでした。

2月27日から、博多リバレイン2階「福岡デザインステージD12」で、【英一郎より白い桜】を開催いたします。

今回の展示会限定の商品を、100個限定でご用意いたしました。
既に多くのお客様にご予約を頂いております。ありがとうございます!

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【「英一郎より白い桜」展示会限定商品】

四季の花箸置 春・さくら 特製桐箱入りペア
【価格】¥3,000(税抜)
【数量】100セット限定

■【ネット予約】は下記URLで受け付けます。(※受付は終了致しました。)
http://eiichiro-porcelain-art.com/yoyaku/

■お電話での受付
FUKUOKA DESIGN STAGE D12(ディーワンツー)
【TEL】092-272-5055
※「英一郎の限定商品を予約したい」とおつたえください。

展示会期間中(2/27~3/6)に、D12で受け取ることが出来る方のみとなります。
お支払いはお受取時となります。

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ご予約数が100セットに達した時点で、受付を締め切らせていただきます。
ご希望の方は、お早めのご予約をお願いいたします。

展示会限定商品以外にも、新作の発表も予定しております。
皆様のお越しを、心よりお待ちしております。


「英一郎より白い桜」展 詳細

□会期:2016年2月27日(土)~3月6日(日)
□時間:10:30~19:30
□会場:福岡デザインステージD12(ディーワンツー)
福岡市博多区下川端3-1 博多リバレインモール2階
□英一郎製磁HP
http://eiichiro-porcelain-art.com/

オープニングレセプション

2月27日(土)19:00~20:30
お酒と軽食をご用意致します。
会費:1,000円
・英一郎ミニライブ開催 20:00~

英一郎ミニLIVE

2月28日(日)・3月5日(土)・3月6日(日)
14:00~(30分程度)
※開催日・時間ともに変更になる場合がございます。


お問い合わせ
福岡デザインステージD12
TEL:092-272-5055
MAIL:info-d12@royal.ocn.ne.jp

 

(ライター:世良)


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